漫画、アニメ(主に最遊記、ジャンプ、進撃の巨人)の感想。音楽(ラルク/hyde/HYDE)猫、カメラ等、煩悩上等日記。
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突然言い渡されたオフに戸惑いながらさてどうしたものかとため息をつく。
こういう場合趣味に打ち込んだりイイ人がいるならよいものだが生憎自分にはどちらも覚えが無い。
折角着替えた隊服を脱ぎ着流しに着替える。
外に出てもいいがこの前みたいにいけ好かない野郎に邪魔されるのはまっぴら御免だ。
特にやることが思いつかないので道場でやっとーの稽古でもするかと足を向けた。
それとなく土方の動向を窺っていた山崎は土方が道場へ向かう様なので慌てて声をかけた。
「今清掃中なんです、念入りに」
そう言うと少し怪訝な顔をされたがそうか、と言い踵をかえす。
何処へ行くのかと様子を窺っていると自室に引き上げる様なのでホッと息をつく。
もしや書類の整理でもするのではないか、もしそうならお茶を持って行きがてらそれとなく阻止することにする。
自室に引き上げた土方は取りあえず机の前に座り一服する。
外出するのも気が乗らない道場も使えない目の前の書類に視線を向けるがそれもあまり気が乗らない。
屯所内は静かで隊士達もなんだかいつもよりよそよそしい気がする。
そういえば隙あらば命を狙ってくる襲撃も今日はまだ一度もない。
部屋の前の縁側に出てぼんやりと庭を眺める。
特別手入れしているわけではないが季節ごとに花が咲いたりする。今は赤やピンクの花が咲いていてツツジ、だったか昔その花の名を教えてくれた彼の人を思い浮べる。
「蜜がね、甘くておいしいの」
そう言って口にくわえ照れたように笑うから甘いのは君だなんて柄にもなく思ってしまって直視できず明後日の方を向いた。
お盆を持った山崎が部屋に向かうと土方が縁側に腰掛けているのを見つける。
土方さん、呼び掛けるが反応が無い。お盆を置き前を覗き込むとスヤスヤと寝息をたてている。
珍しい事もあるもんだとまじまじと観察する。
極たまに本当にたまにではあるが書類処理中の土方が自室でウトウトしている姿を見かけたことはある、が真正面から拝めるのは奇跡にも近いのではないか。
いつもの鋭い瞳孔ガン開きの目は閉じられ心なしか表情も穏やかだ。
…全くこの人は。自分のことはとんと無頓着で。今日が何の日かなんて考えもしないんだろう。
しばらくあきれ顔で見つめていた山崎はそっと土方の髪に触れる。
いつまでもそうしていたい衝動に駆られるがこの分だと心配ないだろうとその場を離れた。
沖田総悟は今日は何げに機嫌が良い。
どんな嫌がらせ襲撃をかけようかと色々と考えを巡らせる。
今日はなんたって特別なのだ。…特別?いや違う、決してそういう意味ではない、そう断じてない。生まれた日と命日を同じにしてやるという最大限の嫌がらせ、そういう事だ。
そう一人ごちているといつのまにか側に来ていた山崎に話し掛けられる。
「もう少ししたら土方さん呼んできてください」
何を言ってやがんだコイツは。そんな事俺に頼んでいいのかィ?今、正に土方抹殺計画をたてているこの俺に。
そりゃ殺してこいって事かィ?そう問えば、はいはい、じゃあ頼みましたよ。と流されさっさと行ってしまった。
…土方の前にコイツを殺ってやろうか。と立ち去る背中を睨み付ける沖田であったが本来の標的を探すべく物騒な鉄の固まりを肩に担いだ。
目的の人物はすぐに見つかった。茂みに隠れ照準を合わせる。引き金に指をかけスコープを覗く。さぁ逝っちまいな。
しかし爆音が響く事はなかった。引き金にかけた指の力が抜け砲筒を置く。ざわざわした心持ちでゆっくりと目標に歩み寄る。
寝ていやがる。こんな所で無防備に鬼の副長が。
死ね土方、小さく呟いてみるが起きる気配はない。
今なら確実に殺れる。千載一遇のチャンス満願成就。しかし無抵抗の相手を殺しても面白くない。なんたって俺は自他共に認めるドSなのだから。ならば首でも絞めてやろうかと手を伸ばすが、心とは裏腹に無意識に頭の方へと動く。
沖田の指が烏の濡れ羽色の様な艶やかな髪に触れ…とその時一筋の風が吹き土方の髪を揺らす。
ビクリと伸ばした手を止めた沖田は自分が今何をしようとしていたのかと気付ききつく手を握り締める。
ゆっくりと息を吐き強ばった体を解すが騒ついた心までは解れない。
沖田が心の両端を全力疾走している間も目の前の黒い固まりは起きる素振りもなく穏やかに眠っている。
…あの野郎。全部計算ずくってことかィ。盛大に心の中で舌打ちした沖田は土方の側に置かれた湯呑みを忌々し気に睨んだ。
目の前で繰り広げられるバカ騒ぎに土方は目を細める。
ったくそういう事だったのか。やっと今日が何の日か理解した土方。
…てゆーかコイツ等ただ呑みたかっただけじゃねーのか?とか、そもそもこんな状態でもし緊急出動の要請や襲撃があったらどーすんだ?なんて考えてしまうが嬉しいというのが本音だ。ただ素直に口には出さないが。
そんな事を考えていたら名を呼ばれた。ここで自分をそう呼ぶのは一人しかいない。
顔を上げると全裸で仁王立ちのゴリ…近藤さんがいて
「トシ、ありがとな」
なんて満面の笑みで言うから、いやこーゆー時はおめでとうなんじゃねーの?てか近藤さんいい加減その辺にしとけよ。明日仕事だろって可愛げの無い返事を返したら、アッハッハッ!と豪快に笑ってしょーがねーなぁトシはって他の者なら絶対自分にしないであろう肩を組んできて無遠慮に頭を掻き混ぜてくるからもう笑うしかなくて。
その様子を見ていた沖田はなんだか取り残されたような気持ちになって鉛の一つや二つぶち込んでやろうかと思ったがそんな事したら近藤さんが悲しむから、そう近藤さんが悲しむから勘弁してやる。
チラチラと様子を窺いながら酒をあおっていた沖田の動きが止まる。
瞬間沖田の目が見開かれその先には極わずかな仲間にだけ見せるそれも超ド級のレアな表情をした土方が居て。
…なんて顔してやがるんでィ。願わくばその顔を己にだけ見せてはくれまいか。
そんな事を思ってしまった沖田は背中が燃えるように熱くなってコレは酒のせいだと言い聞かせ耐えられず視線を外したら山崎と目が合った。
したり顔でこちらを見てくるもんだから手元にあった酒瓶を思い切り投げ付けた。
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遅れ馳せながら土誕。なんでもない話が書きたかったんです。なんとなく沖田な感じになっちゃいましたが個人的には余裕山崎ターンです(笑)
御粗末さま。
突然言い渡されたオフに戸惑いながらさてどうしたものかとため息をつく。
こういう場合趣味に打ち込んだりイイ人がいるならよいものだが生憎自分にはどちらも覚えが無い。
折角着替えた隊服を脱ぎ着流しに着替える。
外に出てもいいがこの前みたいにいけ好かない野郎に邪魔されるのはまっぴら御免だ。
特にやることが思いつかないので道場でやっとーの稽古でもするかと足を向けた。
それとなく土方の動向を窺っていた山崎は土方が道場へ向かう様なので慌てて声をかけた。
「今清掃中なんです、念入りに」
そう言うと少し怪訝な顔をされたがそうか、と言い踵をかえす。
何処へ行くのかと様子を窺っていると自室に引き上げる様なのでホッと息をつく。
もしや書類の整理でもするのではないか、もしそうならお茶を持って行きがてらそれとなく阻止することにする。
自室に引き上げた土方は取りあえず机の前に座り一服する。
外出するのも気が乗らない道場も使えない目の前の書類に視線を向けるがそれもあまり気が乗らない。
屯所内は静かで隊士達もなんだかいつもよりよそよそしい気がする。
そういえば隙あらば命を狙ってくる襲撃も今日はまだ一度もない。
部屋の前の縁側に出てぼんやりと庭を眺める。
特別手入れしているわけではないが季節ごとに花が咲いたりする。今は赤やピンクの花が咲いていてツツジ、だったか昔その花の名を教えてくれた彼の人を思い浮べる。
「蜜がね、甘くておいしいの」
そう言って口にくわえ照れたように笑うから甘いのは君だなんて柄にもなく思ってしまって直視できず明後日の方を向いた。
お盆を持った山崎が部屋に向かうと土方が縁側に腰掛けているのを見つける。
土方さん、呼び掛けるが反応が無い。お盆を置き前を覗き込むとスヤスヤと寝息をたてている。
珍しい事もあるもんだとまじまじと観察する。
極たまに本当にたまにではあるが書類処理中の土方が自室でウトウトしている姿を見かけたことはある、が真正面から拝めるのは奇跡にも近いのではないか。
いつもの鋭い瞳孔ガン開きの目は閉じられ心なしか表情も穏やかだ。
…全くこの人は。自分のことはとんと無頓着で。今日が何の日かなんて考えもしないんだろう。
しばらくあきれ顔で見つめていた山崎はそっと土方の髪に触れる。
いつまでもそうしていたい衝動に駆られるがこの分だと心配ないだろうとその場を離れた。
沖田総悟は今日は何げに機嫌が良い。
どんな嫌がらせ襲撃をかけようかと色々と考えを巡らせる。
今日はなんたって特別なのだ。…特別?いや違う、決してそういう意味ではない、そう断じてない。生まれた日と命日を同じにしてやるという最大限の嫌がらせ、そういう事だ。
そう一人ごちているといつのまにか側に来ていた山崎に話し掛けられる。
「もう少ししたら土方さん呼んできてください」
何を言ってやがんだコイツは。そんな事俺に頼んでいいのかィ?今、正に土方抹殺計画をたてているこの俺に。
そりゃ殺してこいって事かィ?そう問えば、はいはい、じゃあ頼みましたよ。と流されさっさと行ってしまった。
…土方の前にコイツを殺ってやろうか。と立ち去る背中を睨み付ける沖田であったが本来の標的を探すべく物騒な鉄の固まりを肩に担いだ。
目的の人物はすぐに見つかった。茂みに隠れ照準を合わせる。引き金に指をかけスコープを覗く。さぁ逝っちまいな。
しかし爆音が響く事はなかった。引き金にかけた指の力が抜け砲筒を置く。ざわざわした心持ちでゆっくりと目標に歩み寄る。
寝ていやがる。こんな所で無防備に鬼の副長が。
死ね土方、小さく呟いてみるが起きる気配はない。
今なら確実に殺れる。千載一遇のチャンス満願成就。しかし無抵抗の相手を殺しても面白くない。なんたって俺は自他共に認めるドSなのだから。ならば首でも絞めてやろうかと手を伸ばすが、心とは裏腹に無意識に頭の方へと動く。
沖田の指が烏の濡れ羽色の様な艶やかな髪に触れ…とその時一筋の風が吹き土方の髪を揺らす。
ビクリと伸ばした手を止めた沖田は自分が今何をしようとしていたのかと気付ききつく手を握り締める。
ゆっくりと息を吐き強ばった体を解すが騒ついた心までは解れない。
沖田が心の両端を全力疾走している間も目の前の黒い固まりは起きる素振りもなく穏やかに眠っている。
…あの野郎。全部計算ずくってことかィ。盛大に心の中で舌打ちした沖田は土方の側に置かれた湯呑みを忌々し気に睨んだ。
目の前で繰り広げられるバカ騒ぎに土方は目を細める。
ったくそういう事だったのか。やっと今日が何の日か理解した土方。
…てゆーかコイツ等ただ呑みたかっただけじゃねーのか?とか、そもそもこんな状態でもし緊急出動の要請や襲撃があったらどーすんだ?なんて考えてしまうが嬉しいというのが本音だ。ただ素直に口には出さないが。
そんな事を考えていたら名を呼ばれた。ここで自分をそう呼ぶのは一人しかいない。
顔を上げると全裸で仁王立ちのゴリ…近藤さんがいて
「トシ、ありがとな」
なんて満面の笑みで言うから、いやこーゆー時はおめでとうなんじゃねーの?てか近藤さんいい加減その辺にしとけよ。明日仕事だろって可愛げの無い返事を返したら、アッハッハッ!と豪快に笑ってしょーがねーなぁトシはって他の者なら絶対自分にしないであろう肩を組んできて無遠慮に頭を掻き混ぜてくるからもう笑うしかなくて。
その様子を見ていた沖田はなんだか取り残されたような気持ちになって鉛の一つや二つぶち込んでやろうかと思ったがそんな事したら近藤さんが悲しむから、そう近藤さんが悲しむから勘弁してやる。
チラチラと様子を窺いながら酒をあおっていた沖田の動きが止まる。
瞬間沖田の目が見開かれその先には極わずかな仲間にだけ見せるそれも超ド級のレアな表情をした土方が居て。
…なんて顔してやがるんでィ。願わくばその顔を己にだけ見せてはくれまいか。
そんな事を思ってしまった沖田は背中が燃えるように熱くなってコレは酒のせいだと言い聞かせ耐えられず視線を外したら山崎と目が合った。
したり顔でこちらを見てくるもんだから手元にあった酒瓶を思い切り投げ付けた。
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遅れ馳せながら土誕。なんでもない話が書きたかったんです。なんとなく沖田な感じになっちゃいましたが個人的には余裕山崎ターンです(笑)
御粗末さま。
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プロフィール
HN:
凛01号
性別:
女性
自己紹介:
ジャンプや最遊記が好物の隠れヲタ。
機械に疎くアナログ派。図書館に住みたいと思っている若干活字中毒者。放浪癖あり。呑み助。あー民。
機械に疎くアナログ派。図書館に住みたいと思っている若干活字中毒者。放浪癖あり。呑み助。あー民。
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