ならら…ならまち編

「九時集合遅刻厳禁！」


そう言われて見に行った鹿寄せ。見終わった後お昼まで時間があるのでならまちを散策することに。

ならまちは細々としたお店が多く、ともすれば見過ごしてしまいがちである。

見慣れた町並みではあるが、毎回あれ？こんな店あったっけ？なんてのはよくある事だ。
私は目的も決めずに迷子になるのが好きなので路地裏を歩いては新たな店を開拓するのが楽しみだったりする。

ならまち福智院あたりをぶらぶらする。するとお昼を食べたい店を何軒かチェックしてきたと、地図を広げる。流石である。
行き当たりばったりの私とはまるで違う。相手がしっかりしてるとこちらはとも楽だ。

私の大好きな酒蔵春鹿を横目に（後で利き酒をすることを確約する）何軒か見て回り「udon＆cafe麺喰」に決定する。

ここはランチセットが月毎に変わります。今月は粕汁うどんセット。
実は粕汁があまり好きではないので最初渋ったのだが嫌いなのではなく好んで口にしないだけで、食わず嫌いに近いものだからここは一つ挑戦してみることにしたのだ。
ちなみに来月はカレーうどんセットらしい。

おそらく元は民家であったであろう玄関の暖簾をくぐると店員さんが襖を開けてスリッパを出してくれる。

早速粕汁うどんセットを注文。奥にある厨房は麺打ちの様子が見えるようになっている。
程なくして運ばれてきた粕汁うどん。



ご飯は古代米、付け合わせに肉味噌、揚げ鶏とししとう。デザートはシフォンケーキ。

いざ粕汁へ。

…っ？！…旨いっ！

麺はモチモチでそこに粕汁の酒粕とダシと野菜が絡み合って体の芯からホクホクになる感じ！

これなら食べれるよとばかりに夢中で頬張る。
古代米も美味しい。元々玄米や雑穀米が好きなのだ。

途中で七味や柚子胡椒が必要なら店員まで、とお盆に敷かれた紙に書かれてあるのに気付き早速呼び寄せる。
七味をミツバばりに振り掛けまた頬張る。旨い！

二人とも黙々と食べ続けあっという間に完食。

ここはコーヒーもこだわりがあるらしい。
ゆっくりしたいが如何せん煙草が、吸いたい。

お店を出て（ちなみに向かいは鶏飯専門店ここも美味い）駐車場にて一服。

…あぁ幸せ。

美味いもん食べた後の一服は格別である。

少し肌寒いが天気は良かった…のだが雪がちらつき始め驚く。

…雨ではなかったと思ったら雪かい！と突っ込まれたがこれは私のせいなんだろうか…？
確かに他は晴れてるのに私達の頭上にだけ黒い雲が…

気のせいだろう。と結論付け隣でまだ何やらぶつぶつ言ってるのを無視し、春鹿へ。

以前にも書いたと思うがこの酒蔵は400円で利き酒ができ、お猪口はもらえるというサービス付き。

言えば注ぐ量は調節してくれるがもちろん普通に注いでもらう。だって勿体ないでしょ。



…旨い！！アテの奈良漬けを食べまた一口。旨い！

今回使ったグラスはピンク。他の色が欲しければ後で交換してもらえる。
青は持ってるのでそのままピンクを包んでもらった。

さっき呑んだ濁り酒が美味しかったので（最近濁り酒好き）販売コーナーを物色。
大吟醸ものと純米ものと二種類あった。
二人とも棚の前で固まる。お酒との無言の睨み合いの末突然、分かった、こっち買うからそっち買ってと言い放ち瓶を手にする。

何が分かったのか分からないが異論はない。もちろん私が手にしたのは大吟醸。

旨いご飯に旨い酒。昼間っからなんと贅沢！！

店を出てまたならまちをぶらつく。甘味が食べたいと騒ぎだしたので吉野葛専門店へ。

注文が来てから作る葛もちセット。私は寒かったので葛汁粉を。



…旨い！！ってさっきからこれしか言ってない気がするが本当にそうだから仕方ない。
もっちりぷるんとろん。
普通汁粉といえばさらさらしてる感じだがこれは…
思わず指を突っ込みたくなるような口当たり。
身体ごと飛び込んだらさぞ気持ちいいことだろう。

なんてバカなことを思いながら完食。

ああ、今の私を脳測定したらエンドルフィンがたくさんでてるはず。

夕方近くまで散策し、お土産のぶと饅頭も購入し大満足で帰路についた。

家に着き、そういえばこの時期ならみんな二月堂のお水取りを見に行くもんだよなぁと思ったがそれはまたの機会にしようと思った。