不在の置き場

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秋の収穫祭。

ここの土はよほど肥えているのか、野菜や果物の種をばらまいておくと勝手に育ち実ってゆく。元々は個人研究をするための土地なのだけれど。

今年も大収穫でこりゃ一冬越せそうだ、とつぶやく。でかでかとしたお化けかぼちゃを見やり、

「これはジャックオーランタン用だね、腕の見せ所だよ。」 と後ろでさつまいもを収穫している彼に声をかける。

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「TRICK OR TREAT !!」

「‥‥‥。」

ドアを開けるや否やそう言った私に対する彼の反応はとても薄い。まぁ彼は忍なのでこの程度の事では驚きはしないのだろう。もしくは任務からやっとこ戻り自宅の前まできたら私がドアから飛び出してきた上、中の部屋を見ると賑やかに飾り付けやらなんやらで騒がしくなってるので言葉がないのかもしれない。

「お～い、お菓子くれなきゃいたずらするぞぉ～」
となお言い続ける私に

「‥‥ゴホッ、既にこれがいたずらの様な気がするんですね‥。」

「にゃ～お。」

「‥えー、それにハロウィンは、ゴホッ、二日前に終わってます‥それにそれは何なんでしょう‥」

「わかってるよ。今日は誕生祝い。ハロウィンやらなかったからそれ仕様にしてみたの」と言いながら猫手を顔の前で振る。
「これはゲンマに借りたの。」

‥ゲンマさん‥何故こんな物を持ってるんでしょう‥

「ゴホッ、えー取りあえず中に入ってもいいですか？」

ドアの前で話しているのもなんだし、なによりここは忍寮だ。あとで何を言われる事やら。それ以前に一般の人は入れないはずなんですが‥これもゲンマさんですか‥。

「TRICK OR TREAT !!」

「‥BOUTH‥ゴホゴホッ」

彼は案外欲張りだ。


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「─っで、後日こってりしぼられたんだよね？ゲンマ。」
そう言って振り返るとゲンマは掘り起こしていた手を止め、一瞬目を細める。
「‥そーだったかな。」
思いで話にはつき合う気はないらしい。

あの事が起きてから毎年彼は私のこの空虚なお祭り騒ぎに参加してくれている。バースデーハロウィンパーティー。
彼なりの優しさなのだろう。


─不在には慣れた。

否、そうではない。慣れることなんてない。ただその状況を少しずつ受け入れ変わりなく日々過ごしていくのだ、ふとした瞬間に感じる違和感と共に。それでも私はここにいる。

「HAPPY BIRTHDAY ハヤテ
TRICK OR TREAT!」

優しく吹き抜ける風に答えが聞こえた気がした。

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‥。木の葉にハロウィン文化があるのか定かではないですが絡めてみましたハヤ誕に。
って一日過ぎてるしぃぃぃぃ！！（汗）まぁご愛敬。お粗末様。