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漫画、アニメ(主に最遊記、ジャンプ、進撃の巨人)の感想。音楽(ラルク/hyde/HYDE)猫、カメラ等、煩悩上等日記。
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しまった、完全に帰るタイミングを逃してしまった。

積極的に参加することはないけれども、つき合い程度に顔を出す事にしている忘年会。ご飯を食べお酒を飲み、会話に相づちを打ちジョークと本音を混ぜみんなが笑えるような当たり障りのない言葉を吐き出す。
お酒は嫌いじゃないしみんなで騒ぐのも楽しい、でもできればお酒はゆっくりまったり飲んでいたい。

お会計を済ませた後すぐに切り出せば良かったのだ。では私はこれで失礼します、と。

出るタイミングで話しかけられ出鼻を挫かれた。そのまま外へ出て幹事が出てくるのを待ちなんとなく流れで二軒目に行く雰囲気になっている。

気乗りしない飲み会ほど憂鬱なものはない。さてどうしたものか。みんなの歩調よりやや遅らせながら考える。今ここで帰ります、と言ってさっさと帰ってしまうのは場を白けさせてしまうし、かといってよくある行きましょうよ~。いやいや。ちょっとだけ。いやでも。みたいなやりとりは面倒くさい。

わざと遅らせた歩調で後ろを歩く私に前にいた同僚が話しかけてきた。あわよくばこのままこっそり帰ろうとしていたのに。頼む話しかけないで。と思いつつ愛想笑いで応じる。
頷きつつ帰ることを半ば諦めかけていたとき突然後ろに腕を引かれた。
そのまま横道に引きずりこまれ何が起きたか分からないながらも抵抗すべく、振り向きざま拳を振り上げた。

「ーて、店長さん?!」

そこに居たのはあの駄菓子屋の怪しい店長さん。視線が合うと、怖いな~もう~。と笑われた。振り上げた拳を力なく下ろし未だ笑い顔の彼に問う。

「…こんな所で何やってるんですか」

その問いに答えることはなくそのまま腕を引き歩き出した彼の歩調はいつもより足早で。

「アナタ帰りたかったんでしょう?」

だからアタシが助け出してあげたんスよ。ハンサム爽やかヒーローの登場っス。…いやヒーローなら堂々と正面から登場し抱き上げて颯爽と立ち去るものですよ。ナルホド、今度からそうしましょう。絶対に止めてください。

などと取り留めのない会話をしている間も歩調はゆるむことなく路地裏を進んでいく。掴まれた腕はいつのまにか手を繋ぐ形に変わっていてびっくりして手を引こうとしたらそれに気づいたのか力を込められ離すことができない。
見上げて視る横顔からは何も読みとれない。でも心なしか笑っているように思う。なんとなく。

そのまま視続けているとはっきりと分かる笑顔を向けられ手も所謂恋人繋ぎにされてしまった。

全くこの人は…!!

妙な敗北感に押し黙り絶対に握り返してやるものかと決意する私を視て面白そうにクスクスと笑いながら再び歩き出した彼の歩調はゆるやかで。

機嫌がいいなあと思った私はそうならさっきは実は機嫌が悪かったのかしら?でもどうして?思い浮かんだ答えは…いやそれはない。なるべくその答えを考えないように頭から追い出し彼の隣を歩く。

握りしめられた手が温かい。でも私は決して握り返さない。だって答えを出すつもりはないんでしょう?貴方は。そして私も。

だから今は手の届くこの距離でいつでも手放せるこの距離で。


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喜助ハピバ!!…あれー?喜助さんまさかの嫉妬ですかー?真偽は置いといてこれ、たぶん続きます(え)てか続きあります。着地点を迷っててとりあえずここで一旦きります。

私の一年は喜助で始まり終わる感じですね。

それではみなさん良いお年を!

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自己紹介:
ジャンプや最遊記が好物の隠れヲタ。
機械に疎くアナログ派。図書館に住みたいと思っている若干活字中毒者。放浪癖あり。呑み助。あー民。 
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