漫画、アニメ(主に最遊記、ジャンプ、進撃の巨人)の感想。音楽(ラルク/hyde/HYDE)猫、カメラ等、煩悩上等日記。
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特に声をかけることなく裏口から家の中に入り廊下を横切り台所へ。手を洗い、持ってきた材料をテーブルに並べ準備を始める。
さつまいも、りんご、レーズン…そしてグラニュー糖は右上の棚、鍋は左下の棚から特に探すことなく取り出した自分の脳裏にふと浮かんだ「勝手知ったる他人の家」という言葉を考えないようにしているとそれに重なるように勝手知ったるなんちゃらッスね~と声がやけに近くから聞こえて振り向くと口元に扇子をかざした無精髭の男が胡散臭い顔で笑っていた。
その言葉を肯定するのも否定するのもこちらの分が悪い。軽くため息をつき、暇なら手伝ってください、とりんご渡した。
水を張った鍋に輪切りにして皮を剥いたさつまいもを入れて茹でる。隣では胡散臭い無精髭の男、自称ハンサムエロ店主がりんごを剥きながらもしも話をしている。もしもこの世界が~だのもしもこの店が~だの。適当に聞き流しさつまいもの固さを確かめる。まだ固い。
タンッとりんごを切る音がした。タンタンタンッ…もしもアタシが居なくなったら…どうします?問われた内容よりも彼のりんごを切る動作が綺麗で黙ってそれをみつめる。無駄な力が入っておらず包丁の動きも滑らかだ。ぼんやり眺めているとこちらを向いた彼と目があった。私は問いには答えずもう一つ鍋を取り出し彼に渡す。
5mmほどに角切りしたりんごとグラニュー糖と水を入れ弱火で煮る。茹でていたさつまいもが柔らかくなったので湯を捨てそのまま鍋の中で潰す。潰しながらさっきの彼の言葉を反芻する。もしもアタシが居なくなったら…。なんだそれ。なんて面倒くさい問いなんだろう。もしも居なくなったらって?
「もしも貴方が居なくなったらなんてそんなの知りません。居なくなったらどうしようもないし、さっさと忘れてここよりもっと近くて安くてサービスも良いお店見つけてお得意さんになって貴方と出会う前の生活に戻ります。むしろもっと充実した生活になるだけです」そう言いながら親の敵かの様にいもを潰す。
彼はひどいなぁ~と苦笑しわざとらしく肩を落として鍋の火を止めレモン汁を加えて私の潰しているいもの鍋に合わせ入れた。
そのまま弱火にかけてしっかり練り水分をとばす。りんごの甘い香りが漂う。あとは冷まして出来上がり。
最後にレーズンを加えるのだけど苦手な人もいるのでレーズンは好きですか?と聞くと、好きっス。と間髪入れずに返ってきた。少し驚いて彼を見やるともう一度、今度は普段より幾分低い声で好きッスと言った。彼はいつも浮かべている含みのある笑顔はしておらず、食べ物の好き嫌いを答えるにしてはあまりに真剣な表情と声色で見つめられ、私は何か重大な事を聞いてしまったのではないかと混乱してしまう。漂う甘いりんごの香りが濃くなったような気がして目眩がする。
耐えきれず無言でレーズンを鷲掴んで入れる。なんだかとても間抜けなことをしてしいると思ったけど、向こうが変な答え方したからでこちらは間違ってないしあってるしと思いながらどんどんレーズンを入れていく。我ながら入れすぎだろうと思ったけど手を止められない。
流石にそれは入れ過ぎじゃないっスか?そう言った彼の顔が困ったような泣きそうな笑い顔でレーズンを入れる手が止まる。
貴方はレーズンが好きで私もレーズンが好きなのでいつもより多めに入れてみました。なんとかそう答えると下を向いた彼の肩が揺れている。まさか泣いて…いやこれはもしかしなくても笑っているんじゃないか?
肩の揺れが大きくなり遂にククククッと声が洩れる。真剣な雰囲気から一転その様子になんだかこちらも可笑しくなってつられて笑う。
なんなんっスかね?なんなんでしょうね?そう言い合って笑った。本当になんなんだろう。あたたかいな甘いな。でもやっぱり泣きそうだな。そう思いながら笑い続けた。
=========
なんとなく喜助はりんごを切るのが上手そうだなと思います。
相変わらずオチのない話でごめんね!喜助おめでとう!!
さつまいも、りんご、レーズン…そしてグラニュー糖は右上の棚、鍋は左下の棚から特に探すことなく取り出した自分の脳裏にふと浮かんだ「勝手知ったる他人の家」という言葉を考えないようにしているとそれに重なるように勝手知ったるなんちゃらッスね~と声がやけに近くから聞こえて振り向くと口元に扇子をかざした無精髭の男が胡散臭い顔で笑っていた。
その言葉を肯定するのも否定するのもこちらの分が悪い。軽くため息をつき、暇なら手伝ってください、とりんご渡した。
水を張った鍋に輪切りにして皮を剥いたさつまいもを入れて茹でる。隣では胡散臭い無精髭の男、自称ハンサムエロ店主がりんごを剥きながらもしも話をしている。もしもこの世界が~だのもしもこの店が~だの。適当に聞き流しさつまいもの固さを確かめる。まだ固い。
タンッとりんごを切る音がした。タンタンタンッ…もしもアタシが居なくなったら…どうします?問われた内容よりも彼のりんごを切る動作が綺麗で黙ってそれをみつめる。無駄な力が入っておらず包丁の動きも滑らかだ。ぼんやり眺めているとこちらを向いた彼と目があった。私は問いには答えずもう一つ鍋を取り出し彼に渡す。
5mmほどに角切りしたりんごとグラニュー糖と水を入れ弱火で煮る。茹でていたさつまいもが柔らかくなったので湯を捨てそのまま鍋の中で潰す。潰しながらさっきの彼の言葉を反芻する。もしもアタシが居なくなったら…。なんだそれ。なんて面倒くさい問いなんだろう。もしも居なくなったらって?
「もしも貴方が居なくなったらなんてそんなの知りません。居なくなったらどうしようもないし、さっさと忘れてここよりもっと近くて安くてサービスも良いお店見つけてお得意さんになって貴方と出会う前の生活に戻ります。むしろもっと充実した生活になるだけです」そう言いながら親の敵かの様にいもを潰す。
彼はひどいなぁ~と苦笑しわざとらしく肩を落として鍋の火を止めレモン汁を加えて私の潰しているいもの鍋に合わせ入れた。
そのまま弱火にかけてしっかり練り水分をとばす。りんごの甘い香りが漂う。あとは冷まして出来上がり。
最後にレーズンを加えるのだけど苦手な人もいるのでレーズンは好きですか?と聞くと、好きっス。と間髪入れずに返ってきた。少し驚いて彼を見やるともう一度、今度は普段より幾分低い声で好きッスと言った。彼はいつも浮かべている含みのある笑顔はしておらず、食べ物の好き嫌いを答えるにしてはあまりに真剣な表情と声色で見つめられ、私は何か重大な事を聞いてしまったのではないかと混乱してしまう。漂う甘いりんごの香りが濃くなったような気がして目眩がする。
耐えきれず無言でレーズンを鷲掴んで入れる。なんだかとても間抜けなことをしてしいると思ったけど、向こうが変な答え方したからでこちらは間違ってないしあってるしと思いながらどんどんレーズンを入れていく。我ながら入れすぎだろうと思ったけど手を止められない。
流石にそれは入れ過ぎじゃないっスか?そう言った彼の顔が困ったような泣きそうな笑い顔でレーズンを入れる手が止まる。
貴方はレーズンが好きで私もレーズンが好きなのでいつもより多めに入れてみました。なんとかそう答えると下を向いた彼の肩が揺れている。まさか泣いて…いやこれはもしかしなくても笑っているんじゃないか?
肩の揺れが大きくなり遂にククククッと声が洩れる。真剣な雰囲気から一転その様子になんだかこちらも可笑しくなってつられて笑う。
なんなんっスかね?なんなんでしょうね?そう言い合って笑った。本当になんなんだろう。あたたかいな甘いな。でもやっぱり泣きそうだな。そう思いながら笑い続けた。
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なんとなく喜助はりんごを切るのが上手そうだなと思います。
相変わらずオチのない話でごめんね!喜助おめでとう!!
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プロフィール
HN:
凛01号
性別:
女性
自己紹介:
ジャンプや最遊記が好物の隠れヲタ。
機械に疎くアナログ派。図書館に住みたいと思っている若干活字中毒者。放浪癖あり。呑み助。あー民。
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